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~*リハビリ訓練道場*~ 小ネタ投下したり、サイトにUPするまでの一時保管所だったり。
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ぬいぐるみ


未来に行った時、お土産にと貰った師匠の人形は今でも大切な宝物。
傍に師匠がついていてくれるような気がして凄く心強くなる。

「まだそれ持ってたんだ」
「はい」
「笹川だったっけ?それくれたの」
「はい!」

今でもはっきりと覚えている。
何もわからずに未来に飛ばされて。
わけのわからない不安感でいっぱいで。
泣きたい位怖かった。
だけどそんなことで泣いている状況ではないことはなんとなく雰囲気で察せられて。
無理やりに感情を押し殺して。
どうにか現状が変わることを祈っていた。
誰にも心配を掛けない様に。
こんなことで手を煩わせないように。
くたくたになるまでランボと遊び倒して不安をどうにかやり込めた。

そんなある日、了平がくれた師匠に良く似た人形。

手にした瞬間、涙を堪えるのに必死になった。
ここで泣いちゃダメ。
今まで我慢したんだから。
一人になるまで、泣いちゃダメ。
笑って。
嬉しいのは本当だから、無理やりなんかじゃなく。
今は、笑って。

その夜。
物陰の隅っこに隠れて、私は泣いた。
師匠の人形をしっかりと抱きしめて、私は泣いた。
もう何も怖くなかった。
これから先、どんなことが起こっても大丈夫だって思えるくらいに。
私には師匠がついている。
だから、大丈夫。

「私、きっとこの人形が無かったらあの未来を乗り切れなかったと思うんです」
「へぇ」
「それに、師匠はやっぱり、私にとって特別な人ですから」
「そう」
「あ、ちょっと妬きました?」
「・・・別に」
「やっぱりやきもち焼いてるー」
「あんまり五月蝿いと・・・・・・」
「ひゃぁぁっ!?」

ぐいっと強い力で引っ張られ、そのままヒバリさんの胸に受け止められた。

「抱き枕代わりに添い寝してもらうよ?」

―――君がいつもその人形にしているみたいにね。

「っ!?や・・・!な、何でそれを!?」
「僕が君の事で知らないことがあるとでも?」
「や・・・あ・・・・・うう・・・・」
「・・・・・・今夜はソレ、無くて大丈夫だよ」
「・・・・・・・・・」
「僕が、いるから」
「・・・・・・・はい」

「泣きたい時は、おいで」

ヒバリさんはホントに私のことなんか全部お見通しで。
気落ちすると無理やり空回りの元気を見せると癖とか。
泣きたいことがあると師匠の人形を抱いて寝る癖を見抜いていた。

「遅くなって悪かったね」
「・・・・いいんです。今、こうやって傍にいてくれるから・・・・」

でも、もう大丈夫。
師匠の人形は涙で濡れたりしない。




20:59完成
未来編終了後。
あまり描かれなかったけど、ちびーズにとって未来編は過酷なものだったと思うんです。
その中でも気丈に振舞っていたピンを支えていたのが師匠人形。
でも本当に傍にいて欲しかったのはヒバリさんだったんじゃないかなぁ、っていうお話。

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