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~*リハビリ訓練道場*~ 小ネタ投下したり、サイトにUPするまでの一時保管所だったり。
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似顔絵


机の上に放り出された一枚の紙を見つけた。
よくよく見ればソレは画用紙のようで、裏向けに伏せて置いてあった。
ふと気になって手に取る。
そろり表に向けるとそこに描かれていたのはクレヨンで殴り描いた鬼のようなひどい形相。

「何これ?」

幼稚園で描いたのだろうけど、それにしてもひどい。
口は耳まで裂けているし、耳は悪魔のようにとんがって、おまけに髪の毛が角のようではないか。

「あーっ!それピンの!」

描かれていた絵のインパクトの凄さに気もそぞろになっていたのだろう。
背後にあった気配にまったく気がつかず、絵を取り戻そうと飛びついてきたイーピンのタックルを思いっきり受けてしまった。

「かえしてよぉっ!」
「・・っ、た。別に取りやしないよ、こんな絵」

誰が好き好んでこんな鬼の絵を欲しがるというのだ。
うるさく泣き喚かれる前に手元の絵をイーピンの顔めがけて放ってやった。

「それ何描いたの?」
「おしえてあげない」
「鬼?悪魔?」
「ちがうもん」
「じゃぁ何描いたか言ってみなよ」
「いや」
「なんで?」
「・・・・・だって、おにいちゃんおこるもん・・・・」

まったくもって理不尽な扱いだ。
僕だって好きで怒っているわけじゃないのに。
君が怒らせるようなことをするからいけないんだろ。

「ぜったい・・・・・おこらない?」
「多分ね」
「うそついたら、はりせんぼんのまなきゃいけないんだよ?」
「知ってるよ」
「ゆびもきりおとすんだよ?」
「君いつからヤクザになったのさ」
「だって・・・・・」
「いいから言ってみなよ」

よほどじゃなければ怒らないから、という言葉はこっそりとつぶやいた。
イーピンは居住まい悪そうにもじもじと身を捩りながらどうにかこうにか言葉をひねり出す。

「えっと・・・、ね?ようちえんでね、おえかきのじかんがあってね」
「うん」
「せんせいが、『きょうはみんながいちばんこわいものをかいてみましょう』っていったの」
「うん、それで?」
「ピンね、いっぱいかんがえたらね、おにいちゃんのかおがうかんだの」
「へぇ・・・・・」

ということはこれは僕というわけか。
大きく裂けた口から覗くとんがった牙とか、釣りあがった目とか、この子の目にはこういう風に僕が映っているというわけか。
ここまでひどく描かれているといっそすがすがしいとさえ思ってしまう。
でもね

「・・・・じゃぁさ、今からもう一枚絵を描いてよ」
「なにを?」
「ピンが一番好きな人の絵」
「すきなひと?」
「そ。ピンが一番好きなのは、誰?」

「おにいちゃん!」

僕は知っている。
自分がただただ恐怖の対象ではないことを。
好きも嫌いも、全部ひっくるめて君の中に入り込んでいるだけなんだって。



18:42完成
ヒバピン年の差兄妹パロ。
どんなに年が離れていたってヒバピンはラブラブになれるスペックがあるんだぜ。

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